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高森明勅
2017.1.3 06:20

シンプルな選択

日本人は皇室が今後も存続して貰いたいと願うのか、否か。

もし存続を願うのであれば、皇室の方々がその「お務め」

取り組んで下さることに「幸せ」を感じて戴ける環境を、
しっかり築かなければならない。

にも拘らず、皇室への敬意も感謝も信頼感もなく、
一切の能動性、
主体性を否定して法的に“縛る”ことしか考えないのが、
安倍政権が企てている特例法による一代限りのご譲位だ。

愚かで悪質。

更に、改めて言う迄もないが、側室不在の条件下で、
「男系の男子」限定を維持していては、皇位の継承は必ず行き詰まる。

行き着く果ては、皇室と国民の厳密な区別を蔑ろにして、
竹田恒泰氏の“ような”
人物(又はその男子)を天皇にするという
選択しか残らない。

その候補者を国民の中に求めて、
対象を果てしなく広げて行くことに
なる(現に旧宮家系“以外”
の男子探しも始まった!)。

それで皇室への敬愛は保たれるのか。

あり得ない。

竹田氏はある番組の収録で
女系天皇なんて絶対に認めない。そんな皇室なら無くなればいい!
と叫んで、スタジオを唖然とさせた。

普通に考えて、将来の天皇に、竹田氏のような人物(又はその男子)
か、
愛子内親王(やそのお子様)のどちらが相応しいか、という問い
を設けること自体、
甚だ不謹慎かつ不敬の極みだろう。

天皇陛下のご譲位にせよ、皇位の安定的継承にせよ、
もし日本人が皇室の存続を願うなら、
理性と常識さえあれば、
問題解決の答えは1つしかない。

余りにも自明ではないか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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